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寝不足ジラフ

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本:アガサ・クリスティー「そして誰もいなくなった」を今さら読んで興奮。え、全員死んだら犯人は誰よ?

さすが名作と言われるだけはある。ようやくちゃんとアガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を読んだ。分量は小学生の読書感想文でもいけそうなくらいなので、すぐ読める。

 

 

内容もわかりやすい。孤島にある館に、縁もゆかりもない老若男女が集められ、一人一人殺されていくというもの。最初は周りの人間が殺されていくことにただ驚くばかりだが、そのうち「次は誰か」「犯人はこの中の誰か」という疑心暗鬼が生存者たちを支配していく。

 

数が少なくなるたびに犯人も絞られていく。島には彼ら以外誰もいない。どんどん殺されていく。最後の一人も、死んだ。あれ?犯人は?全員死んだの?最後に犯人が残らないとおかしくない?結局誰が犯人なんだっけ?こいつら以外に誰かこの島にいたの?いないよね?それだと相当つまんないよね?

 

というまさしく「そして誰もいなくなった」というタイトルが表すがごとく秀逸なストーリーになっている。このタイトルセンス、半端ない。物語全体と謎をこれ以上ない一文で表している(原題もAnd Then There Were Noneで同意)。

 

ストーリー中に、読者だけで謎が解けるような伏線が入っていて、自分で考えてね、というスタイルではなく、本編はほぼ徹底的に謎を深めさせておいて、最後に完全なる種明かしがエピローグとして語られる建て付けもなんだか新鮮である。

 

トリック自体は極めて単純明快というか、かえって拍子抜けするくらいのレベルだが、だからこそわかりやすいというか、「そんなトリッキーなことできるかっ、あほかっ」みたいな変な読後感にはならない。ディティールはやや雑な部分もあるが、アガサ・クリスティー的には、そんな細かいところはどうでも良くて、「犯人が最後に残ると思いきや、全員死んだ!?」というストーリーをうまいこと描ききりたかったのだろうと推測。

 

まだ読んでいない人は、休日の午後数時間を使ってみては。気軽に読めて楽しい。